あるとき、たまたま見つけた伊藤クロエさんという書き手によってBL小説の良さに目覚めた。
小説では、キャラクターの心の動きが文章で丹念に描かれるところがいい。ラブストーリーとしても盛り上がるし、エッチなシーンも文章で表現されると、マンガなどのビジュアルとはまた違った感覚で楽しめる。
この記事ではアルファポリス、ムーンライトノベルズで読める伊藤クロエ作品の中から3作を紹介したい。
グランディール学院の秘密(2020〜2021年)

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どちらでも内容は同じなのでお好きなサイトで読んでね!
あらすじ
男女共学の王立グランディール学院には、特に優秀な学生のみが利用できる「奉仕委員」という秘密の制度があった。
筆頭監督生のアリスティドが出来心で奉仕委員を呼ぶと、部屋に現れたのは意外にも女子生徒ではなく下級生の男子ゲオルグだった。
その日から、アリスティドは屈強なゲオルグの手や口を用いた性的奉仕に骨抜きにされてしまう。
おすすめポイント
クールで潔癖な性格の監督生が初心な心と体を下級生に開発され、骨抜きにされるのがエロティック。全編にわたってエロ多めのR-18小説だ。
私は10年以上BLから離れていた後にこの作品と出会い、「同人でこんなにうまい書き手もいるんだ」とビックリした。以来、伊藤先生をフォローして小説をよく読むようになった。
鬼に金棒、エルフに恋。(2021年)
あらすじ
エルフの青年アドルティスはちょっとした冒険心から森を出て、街のギルドに登録し、薬草の採集や魔物の討伐、要人の護衛などの仕事を請け負うようになった。同じギルドに所属する鬼人のラカンとははじめから馬が合い、後方から支援魔法をかけたり弓矢で援護したりと、しばしばコンビを組んで仕事している。
アドルティスはラカンのことが好きで、恋心を募らせた挙句、酒を飲ませて泥酔させ、寝込みを襲おうとするのだが……。
おすすめポイント
テーマはいわゆる「襲い受け」だ。
ラカンへの片思いをこじらせて、「好き」と口にできず悶々とするアドルティスがいじらしい。
全編にわたってエロ多め。
ファンタジーの設定が凝っておりおもしろかった。ファンタジーになじみがない読者でも楽しめるように説明されている。
ハッピーエンドで完結済み。
世界観が細かく創り込まれているので、番外編など続きをもっと読みたい。
泡姫ミナミくんの初恋(2021年)
あらすじ
同性愛の志向を秘めたまま非業の死を遂げた南は、異世界転生を機に、自分に正直に生きることにした。
訪れたのは歓楽街にあるゲイ専用のソープランド。南は喜んで男に体を売るつもりだった。
店長で虎の獣人・呉凱は、話を聞くと南の覚悟のほどを試すために体験入店させるが……。
おすすめポイント
「処女ビッチ」の南が初めての行為にとまどいつつ、店長相手にテクニックを学び、感じまくってしまう様子が生々しい。
お客を相手にするプレイの描写はなし。最後は初恋の相手と結ばれてハッピーエンドになる。
舞台は異世界だが、チャイナタウンぽい雰囲気があっておもしろい。チャイナノワール風の雰囲気あり。
終わりに
アルファポリスは、一時期ランキング上位の作品をチェックして読んでいたが、並みいる書き手の中でも伊藤先生の実力はずば抜けていると感じた。
2022年12月追記:
その後、伊藤先生はアルファポリスとムーンライトノベルズに発表していた小説に大幅に加筆し、商業デビューされた。2022年『月の砂漠に銀の雨』『黄金なるもの、天より堕ち』の2作が出版されている。
連載中もワクワクしながら読んでいたが、単行本になったものを読むとさらにエピソードに厚みが増しておもしろかった。
今後の伊藤先生の活躍に注目したい。



